ニノ結婚、でよみがえる「ジャニーズの妻」になれなかった女たちの涙と怨念
自分が死ぬまでは相手の一番の女でいたい
とまあ「ジャニーズの妻」になれなかった女たちのなかでも明菜は極北ともいうべき存在だが、そのあとも結ばれない恋は続いた。中山美穂と田原俊彦、菅野美穂と稲垣吾郎、aikoと国分太一、などなど。そんななか、工藤静香はデキ婚によって木村拓哉を射止めたが、そのかげで泣いた女がいる。「カオリン」の愛称で、ファンにも好意的に受け止められていたモデルの伊東香里だ。
交際期間は9年にも及んだが、99年に破局。ほぼ同時期に、木村が静香へのアプローチを始めていたことから、乗り換えたのではという見方も出た。モデル活動を控えめにして内助の功に励んでいたともされ「捨てられた糟糠の恋人」という印象もある。
長い春が実らなかったといえば、浜崎あゆみと長瀬智也のケースもそうだ。15歳のとき、ドラマ「ツインズ教師」で出会い、8年後に再会して恋人同士に。堂々と交際宣言もした。浜崎はその2年前、エイベックスの創業者・松浦勝人との恋を終えていて、その傷を癒したのが長瀬だったともいわれる。
しかし、浜崎の浮気などもあって、6年後に破局。松浦との関係については最近「M 愛すべき人がいて」(小松成美)という実録的小説が本人協力のもとで書かれたりした。が、長瀬との関係を描いた「N」という小説がそういうかたちで書かれることはないだろう。過去のプライベートの切り売りをジャニーズ事務所が許すとは思えないからだ。
そういう意味で「ジャニーズの妻」になれなかった芸能人はその後の展開も難しい。テレビ局が事務所の意向を忖度したりして、使いにくさが生じるからだ。藤ヶ谷太輔と別れたあとの瀧本美織などもおそらくそうだし、松本潤と続いているのかどうかすらよくわからない井上真央についても業界は何かと気を遣ってしまうのだろう。
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『痩せ姫 生きづらさの果てに』
エフ=宝泉薫 (著)
女性が「細さ」にこだわる本当の理由とは?
人類の進化のスピードより、ずっと速く進んでしまう時代に命がけで追いすがる「未来のイヴ」たちの記憶
————中野信子(脳科学者・医学博士)推薦
瘦せることがすべて、そんな生き方もあっていい。居場所なき少数派のためのサンクチュアリがここにある。
健康至上主義的現代の奇書にして、食と性が大混乱をきたした新たな時代のバイブル。
摂食障害。この病気はときに「緩慢なる自殺」だともいわれます。それはたしかに、ひとつの傾向を言い当てているでしょう。食事を制限したり、排出したりして、どんどん瘦せていく、あるいは、瘦せすぎで居続けようとする場合はもとより、たとえ瘦せていなくても、嘔吐や下剤への依存がひどい場合などは、自ら死に近づこうとしているように見えてもおかしくはありません。しかし、こんな見方もできます。
瘦せ姫は「死なない」ために、病んでいるのではないかと。今すぐにでも死んでしまいたいほど、つらい状況のなかで、なんとか生き延びるために「瘦せること」を選んでいる、というところもあると思うのです。
(「まえがき」より)